福利厚生費の要件とは?食事代補助を福利厚生費にするためのポイント
企業が従業員に対して行う「食事代補助」は、従業員満足度を高める制度として注目されています。
一方で、税務上の取り扱いを誤ると「給与課税」と判断されてしまうケースもあるため注意が必要です。
本記事では、食事代補助を福利厚生費として処理するための要件について整理します。
- 福利厚生費とは?
- 食事代補助が福利厚生費になるための要件
- ├ 要件① 従業員が食事価額の半分以上を負担していること
- ├ 要件② 会社負担額が月額3,500円(税抜)以内であること
- ├ 要件③ 全従業員を対象とした制度であること
- └ 要件④ 社会通念上妥当な金額であること
- 「月7,000円まで福利厚生費にできる」は誤解に注意
- 今後の制度改正動向
- 実務上のポイント(ZeLoの視点)
- まとめ
福利厚生費とは?
福利厚生費とは、企業が従業員の生活向上や働きやすさのために支出する費用であり、一定の条件を満たす場合には損金算入が認められます。
代表的なものとしては、社員旅行、健康診断、社宅制度、食事の支給・補助などがあります。
ただし、福利厚生費として認められるためには「従業員への給与」と区別できることが重要です。
食事代補助が福利厚生費になるための要件
国税庁の取り扱いでは、会社が従業員に食事を支給する場合、次の要件を満たせば給与課税されず、福利厚生費として処理できます。
要件① 従業員が食事価額の半分以上を負担していること
会社負担が大きすぎる場合、従業員への経済的利益=給与とみなされます。
そのため、従業員が食事代の50%以上を負担していることが必要です。
例:食事価額が月7,000円の場合
従業員負担が3,500円以上である必要があります。
要件② 会社負担額が月額3,500円(税抜)以内であること
現行制度では、会社負担額について非課税限度額が定められています。
- 会社負担額が月額3,500円(税抜)以内
となる場合に福利厚生費として認められます。
計算式は以下です。
食事価額 − 従業員負担額 ≤ 3,500円(税抜)
要件③ 全従業員を対象とした制度であること
福利厚生費として認められるには「公平性」も重要です。
一部の役員や特定社員のみを対象とした制度は、福利厚生ではなく給与・役員報酬と判断される可能性があります。
要件④ 社会通念上妥当な金額であること
過度に高額な食事代補助は福利厚生として認められません。
例えば高級レストランでの頻繁な補助などは、税務調査で否認されるリスクがあります。
「月7,000円まで福利厚生費にできる」は誤解に注意
最近「月7,000円まで福利厚生費で処理できる」という情報を目にすることがありますが、現行制度では単純に7,000円まで非課税になるわけではありません。
7,000円という数字はあくまで
- 食事価額(従業員が利用する額)
として例示されるケースであり
- 会社負担額は3,500円以内
- 従業員負担が半分以上
という条件を満たす必要があります。
今後の制度改正動向
令和8年度税制改正大綱では、食事補助の非課税限度額を引き上げる方向性も示されています。
今後、会社負担額の上限が拡大される可能性があるため、最新情報の確認が重要です。
実務上のポイント(ZeLoの視点)
食事補助制度を導入する際には、以下を整備しておくと安心です。
- 従業員負担額を明確にする(給与天引き等)
- 就業規則や社内規程で制度化する
- 対象者の公平性を確保する
- 補助額が限度額を超えないよう管理する
福利厚生制度は、設計次第で節税にもなり、従業員満足度向上にもつながります。
まとめ
食事代補助を福利厚生費として処理するためには、
- 従業員が半分以上負担している
- 会社負担額が月3,500円(税抜)以内
- 全従業員対象で公平
- 社会通念上妥当な金額
といった要件を満たす必要があります。制度導入の際は、給与課税リスクを避けるためにも事前に税務確認を行うことが重要です。